カテゴリー「ネトゲ世界」
-その42-AS編(終章) 「アルカの人々」
2012年2月30日をもって、サービス終了となるアルカディアサーガ。
そんなことが将来あることを、当時ワタシ達の誰が予想出来ただろうか。
時代の流れというべきか、TERAのサービス開始はこの後始まるMMO世界にとって
避けて通れないものだったと思う。
間接的かもしれないが、その大多数のプレイヤー人口をこのゲームに一時期持っていかれた事実は
歴史上ゆるがない記録として残るだろう。
ワタシ達リリウムギルドは
2011年8月に始まった「TERA」へ、その約半数以上の移動を開始したばかりだった。
そんなわけで、TERA編へ移る前に、アルカディアサーガ編をまとめておきたい。
思えば、
ここ。アルカディアサーガの世界に降り立った当初のワタシは、
正直、心が病んでいたと思う。
それはオンラインゲームを通して出来たものだった。
アルカへ来る前。
ギルドというものが、どんなものか、よく知らなかったわたしは
初めてサブマスターになったときに、その役割を自分なりに考えてみた。
こういう言葉がある。
「結婚する前までは、両の目を良くあけて相手をよく見ること」
どんな人なのか、良いところも悪いところも。
短気なのか、何を考えて生きているのか、自分との共通点や違いは何なのか。
よく、見ること。
一緒に生きていく上で
妥協点を作れる人なのか、上手くやっていける人なのか
めんどくさがらずにきちんと対話できる人なのか、そうでない人なのか。
苦手なところはどこで、得意なところは何なのか。
よく、見ること。
「結婚した後は、片目をつむる事」
悪いところを、半分見ないこと。というよりも、苦手なところや
悪いところは、自身のこととしてお互いにフォローしていくという考えといった方が正しいだろうか。
記憶に思いつく夫婦の例としては、野村夫妻のことが思いつく。
かなり前になるが、ワイドショーで、野村婦人が叩かれていたことがあった。
連日連夜その報道がつづき、うんざりしたものだ。
その終止符を打ったのは
野村監督の監督辞任だったと記憶している。
妻が世の中をお騒がせしており、その責任を夫であるワタシが取るというのが会見で発表されたとき
世の多くのマスコミは、「やりすぎた報道」に後悔を覚えたに違いない。
こういった夫婦の姿勢は、学ぶところが多く
このネトゲ世界における「ギルド」においても
ギルドの看板を背負っている限り、一人の行動がそのギルドそのものの行動につながることから
サブマスターになったとき
ワタシのキャラクターの挿絵を編集して、片目をつむらせた。
自分のことは、半分置いておく。
のこりの半分はギルド運営に、身を置いたのだ。
しかし、おいた半分の自分も
いつしか見失い
ワタシは単に責任を果たすためだけに、インするようになっていった。
たかがゲーム。されどゲーム。
楽しめないゲームは、もはやゲームではなかった。
今思えば、いいたいことをもっとぶつけ合っていたらよかったんだと思う。
吐かない想いは、日に日に自身を蝕み
ワタシの心を病ませた。
なので、もう「サブマスターはやれない」と思った。
そうして
降り立ったアルカディアサーガでの世界。
ほどなく
ソロでのプレイに限界を感じたワタシは、コミュニケーションを求めギルドの門をたたく。
時間がたつごとに楽しみを教わり、オンラインゲームの楽しさと無限の可能性を学んだ。
人とのつながりは短く
休止する人、インしなくなる人、この世界を去っていく人。
人から学んだ「その意志」を自分のものにして
願いを元に
記録することに挑戦し、そこでいろんな縁を再び学ぶ。
幾度かの失敗を経験して
ふと、ふりかえると
ワタシの病んでいた心が、癒されていることに気づく。
「あぁ、もう大丈夫だ」
ここにはサブマスターだからといって
何かを強制してくるような関係はない。
ここには信頼して話せる人達がいる。
オンラインゲームで病んだ心は、オンラインゲームで癒されるとは。
もう、くじけまい。
一人ではないことを学んだから。
もう、恐れまい。
挑戦することの楽しさを学んだのだから。
もう、立ち止まるまい。
人との出会いは、いつも一期一会。リアル世界でもネトゲ世界でも、そういうものだということを
ワタシはここで学べたのだから。
この全てに
当時のワタシが気づけていたかと問われると怪しいものだが
「サブマスター」になることの嫌悪感は、きれいになくなっていたことはたしかだったと記憶している。
さて。TERA編。
あらたな現実が待っているのだ。
しかし、ここがなかったら
今のこのブログも無かったと言える。
ワタシにとって、短く
ギルドにとって長い歴史が始まらんとしていた。
このアルカディアサーガで、出会った人々が
今もいろんなところで、いろんなカタチで生き続けることになる。
しかも、サービス終了後。その約1年10ヵ月後に、再び世に現れることになるこの世界。
だが
ワタシにとってのアルカディアサーガは
あのサービス終了前までの
ギルド集落で止まっている。
もう一度開拓の地で、冒険してみたいと思えないのは
上手くいえないけれども
失ったもののその多くが、二度と手に入らないものばかりだからかもしれない。
モノであり
人であり
そして時間であったり。
(つづく)
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